基本的な知識はもうすでにお伝えしました。ここからは、その知識を駆使して実際に組み立てていく作業となります。300yドライバーを作るのに絶対に守ることを抑えておけば、後は自由にカスタマイズして大丈夫です。
その300yドライバーを作る上で重要なことはたった2点です。

・極限まで軽量化
・スピンを減らす工夫

【とにかく軽く】

鉄則は、軽量化です。”極限まで”というのは、暴れない限界の軽さということです。ゴルフは物理からは逃れられません。人間が出力する以上は、軽ければ軽いだけスピードを出しやすいです。

「重い方が飛ぶんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、それは同じスピードなら、という条件付きです。エネルギーは速度の二乗に比例するので、速度が上がることの方が重要。重量は2倍になるとかでなければほぼ誤差になってしまいます。

速く振り続けていれば重いクラブも振れるようになるので、まずは軽いクラブを作って300yを量産してください。おそらく300yを目指している方ならフィッティングを受けても70g台ばかり勧められると思います。そうなったら、簡単な話。チップカットして3フレックス落とすのです。70Sなら60SRかRにして10gほど軽量化したまま振り心地を似せていきます。もしスピンが増えるなら、ロフト調整か、短尺化をします。
ちなみに、軽量とはどのくらいのことか、という話ですが、最も重くても310gというのが私の基準です。それ以上重くなるとヘッドスピードが遅くなる境目があれば、それより軽くしてください。さらに、それを下回るとヘッドスピードが上がるという領域があるなら、そこまで重量を落としたいです。

これは持論ですが、短尺化に伴って2インチほどカットすると5g前後軽くなります。バランスを考えなければ、これも軽量化の有効な手段と言えます。

ヘッド→シャフト→長さ&ロフト調整という順で決めていくので、ほぼ最初の2工程で決まります。それの再現性を高めるために長さとロフトで調整するというイメージです。

【スピンを減らす】

これは、ヘッドを選ぶときもシャフトを選ぶときも常に頭の中に入れておいてください。なぜかというと、スピンを増やす打点は広いので、最悪セッティングで出来なくても打ち方でどうにかなるからです。

しかし、スピンを減らして打つのは、アタックアングルやヘッド軌道など考えることが多いので難しいです。ですから、そこはクラブで補ってあげるべきです。スピンが減りやすいというのは、打点が上になりやすいということですから、低重心である必要があります。シャフトでもカウンターバランスにするなど、打点をあげることは可能。シャフトというとしなりや捻じればかり気を使う人が多いですが、重量分布を鉛等で制御することにより最適な打点を生み出すことができます。
ご自分の今の改善点をリストアップしてみて、この記事を参考に、300yドライバーを作ってみてください。

番外編①シャフトとヘッドの組み合わせって?

シャフトとヘッドの組み合わせはある程度考慮した方が良いと思っています。その中でも飛びに特化したドライバーを作るうえでおススメの組み合わせが存在します。

それは、「捕まるヘッドと捕まらないシャフト」という正反対の性格のものを組み合わせるという方法です。これは飛距離の最大の敵であるスピンを減らしやすいからです。スピンが増えるのは、フェースが開くミスをした時に多いです。これはドローヒッターでもフェードヒッターでも同じです。開いたらおしまいなんです。もっと詳しく言うと、シャフトの硬さによりますが、インパクトロフトが20°を超えると全く捕まっていないことになるのでこれを起こしたくないわけです。捕まるヘッドであればこれが起きにくいのでより安定して飛ばすことが出来るのです。

番外編②バランスは重要?

基本的には大きな意味はありません。

バランスというのは、メーカーが重量誤差をごまかすために表記しているもので、クラブの性能には全く影響しません。プロパー品を一度バラバラにしてみるとおどろくほど鉛チップが出てくるメーカーも多いです。ミズノですらそんなもんなんです。これが悪いことだとは思いませんが、メーカーの都合で表記しているものに踊らされるのは随分とかわいそうなのでここではっきりさせておきました。

ただし、それが原因で気になるようであれば、合わせたほうがベターです。

ちなみに、カウンターバランスの本質は、ヘッドが軽く感じるようになることでは無く、ヘッドの通過点が若干下がること(手が浮くのを防げる)、安定したスイング軌道にしやすいこと、ヘッドスピードを上げやすいことです。勘違いしないようにお願いします。

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